畳の選び方

良い畳を選ぶために

新築や増改築、畳替えなど畳を選ぶときのポイント

ポイント1畳床がどんな種類のものか確かめる
畳床には大きく分けて、「稲わら畳床」、「稲わらサンドイッチ畳床」、「建材畳床」の3種類があります。
普段は目に見えないところにありますので、畳屋さんにそれぞれの特性などを聞いて、使う用途や住まいの条件に合った素材を選ぶことが大切です。(畳床って?)
ポイント2い草の状態はどうか、細く長いい草で編み上がっているか、均一で密度のある畳表になってるか
畳は床の良し悪しと、い草の良し悪しが最も大切なポイントです。特に畳表の良し悪しは、歩く感覚やお部屋の風合いを左右します。(畳表って? 経糸(たていと)って?)
ポイント3適材適所
畳にはいろいろな種類があります。畳を使用する場が住宅であるか賃貸住宅か、業務用であるか、木造、コンクリート造りであるか、敷き込む部屋の性格など、顧慮して選ぶことをお薦めします。また、家財の移動費、古畳の処分料見積なども確認しておくと良いでしょう。(一般住宅の場合は?)

畳床(たたみどこ)

夏涼しく冬暖かい断熱保温性、部屋の湿度を快適にコントロールする吸放出性、階下への音を和らげる床衝撃音遮断性、そしてなによりも天然素材であることともに土に帰るリサイクル性。
昔は畳床は藁で作られたものがあたりまえでしたが、住宅構造の変化、新建材の登場、供給側である後継者不足、作業時にホコリが多く重いなどのから現在では年間出荷量の約90%前後を建材床が占め、藁床は貴重品、高級品化しているというなんとも皮肉な状況となっています。
畳床は、藁を使用した藁床、藁をまったく使用していない建材床(ボードと呼ばれています)、建材床の素材を藁で挟んだ藁サンド床の三種類に大別されます。

藁床(わらどこ)

良く乾燥させた藁を層になるように縦横に積み上げ圧縮し縫いあげてつくられます。藁の質、配列の仕方、均等に圧縮してあるかどうか、縫い目の間隔などにより品質が決まります。たくさんの藁を使用し、配列を多くし、縫い目間隔が細かいものが高級品とされています。長所として感触が良い、表替えを繰り返しても丈夫である、天然素材であり室内の湿度を調節する調湿機能は他の床材に比べ最も優れています。また保温性、弾力性、難燃性、吸音効果、防音効果を備えています。高、中級クラスの畳表との組み合わせにより、その質感は一段と発揮されます。
用途、一般住宅

難燃性

雑誌、電話帳や新聞は、一枚ならよく燃えますが、閉じたままや重なった状態では火の中に入れてもなかなか燃えに難いのと同じように約3万本もの藁を40cmにも積み上げそこから5cmまで高圧縮された藁床は燃え難い性質となっています。

建材床(けんざいどこ)

建材床の素材は、ポリスチレン樹脂と発砲材からなるポリスチレンホームと、木質繊維を原料とするインシュレーションファイバーボードが主な素材であり特徴として、断熱性に優れ軽く、水を吸収しない、工業製品なので品質が安定している、軽い、ダニが発生しにくいことです。ポリスチレンホームをインシュレーションファイバーボードではさんだ三層構造になっているものが一般に良く使われていますが、それぞれ単体、二層になっているものも使われています。一般住宅、マンション、アパート、賃貸住宅、飲食店、業務用まで幅広く使用されています。床材がコンクリートの場合、保温性、断熱性 に優れた建材床を使用することでコンクリートへ伝わる熱エネルギーロスを少なくできます。建材床断熱タイプ

藁サンド床(わらサンドどこ)

藁サンド床はポリスチレンホーム、又はインシュレーションファイバーボードを藁ではさんだ床です。藁床に比べて軽くダニが発生しにくいのが特徴です。また感触が藁床によく似ています。
一般住宅

畳表(たたみおもて)

畳表の良い悪いは、い草、糸、織り方、の3つの要素で決まります。

新しい畳表は、上級品も下級品も見た目は、同じように見えますが時間がたつにつれその違いが現れてきます。
良質のい草を多く使って織られた畳表(最高級品約8500本の い草を使用しています。)は、毛羽立ちにくく、肉厚で畳の溝(山と谷)が明確であり、徐々に明るい黄色へと褪色します。また、裏返しをしても畳の溝は、明確であり、色合い、感触 ともに他の物より優れています。
下級品も見た感じは、同じように見えますが変色い草が混じっており、い草が切れやすく、経糸が細い綿糸のため溝が浅く、い草の数も4000本弱ともともと少ないため時間がたつにつれ畳の溝(山と谷)の差が縮まり、見た目、色合い、感触の劣化が目立つようになります。また、青みを出す為に水生塗料を吹き付けた畳表もあります。このような畳表は、作業の効率化から高温で乾燥させる為い草の繊維質を痛めてもろく表皮のはがれやすい耐久性のない畳表になってしまってい、急激に変色する恐れがあります。(輸入畳表、主に中国産)こうなると美観のためカーペット等を敷いてしまい、これが畳の呼吸を妨げ畳内湿気がこも、カビ、ダニが発生する原因となるのです。

一般住宅でご使用される畳表としては、変色い草の混入が少なく、い草の密度も普通の中級品以上が適しています。また褪色具合も概ね良好で、裏返しをしても落ち着いた色調になっています。(国産畳表)下級品は、主にマンション、アパート、賃貸住宅、飲食店といった経費節約型の建物で主として使用されています。

下級品の新表と7~8年経ってからの上級品の裏返しとを比べると香りはないけど落ち着いた色に退色している上級品のほうが個人的には好きです。

経糸(たていと)

経糸は、大きく分けて麻糸と綿糸があり、麻の方が強く、太く、たくさん織り込めるため肉厚で配が揃って谷が狭い(溝が深い)畳表が作られるため高級品に使われます。特にマニラ麻は、最上級品であります。畳表を比較する時に一番よくわかるのがこの経糸です。
織り方は、い草の使い方により種類がありますが、現在はほとんど機械織りとなっており、手織りは、貴重品化しています。

い草の数糸の種類特徴
特に多い本ダブル麻糸を1つの配に2本づつ使用した最上級品の畳表用です。
多い麻綿ダブル麻糸と綿糸を1つの配に2本づつ使用した上級品の畳表用です。
普通麻糸麻糸を1つの配に2本使用した畳表用です。
多い~やや少ない綿ダブル綿糸を1つの配に2本づつ使用した畳表用です。
少ない糸引き綿糸を1つの配に2本使用した畳表用です。

適材適所

どの部屋も同じ畳に揃える必要はありませんが毎日何回も踏まれたり、スレたりするような使用頻度の高いお部屋、お客様をお通しするようなお部屋は、耐久性に優れ高品質の畳をお薦めします。ニ間、三間と続き間になっているような場合は同じものに揃えたほうが違和感がなくよいと思います。統一されていない場合、最初は同じように見えても時間が経つにつれその違いがはっきりと現れてきます。また、安いからといって安易に業務用や賃貸住宅用の畳表をお求めになられると退色や変色、表皮の薄さから起こるスレ、毛羽たち等の傷、痛みが高確率でそれも早く起こる可能性が考えられます。